【復刻・民泊革命(第38回)】苦情のない民泊運営

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 民泊コンサルタントのそーたろー氏。民泊に関する話題を動画で扱う「民泊ちゃんねる」を流したり、民泊に関する情報をこまめにアップするなど、民泊ホストの間ではかなりの有名人だ。あるマンションで1年間民泊を運営してきたが、一度も苦情がなかったのが自慢だと言う。

 前回取り上げた民泊ポリスの中込氏も、民泊全部を否定するわけではなく、近隣の迷惑になり、苦情の出る民泊をなくしたいと話していた。今回は、そーたろー氏に苦情の出ない民泊について訊いてみた。

 

心がけるべき点は2点

 そーたろー氏によると心がけた点は、2つにまとめられると言う。1つは、注意すべき点をゲストに予め伝えて徹底すること、もう1つは、ゴミは民泊ホストが責任を持って回収すること。この2つに尽きるそうだ。この2つがそろえば、基本的には近隣に迷惑をかけない民泊を行えると言う。

 よく聞くことのようだが、細かく話を聞くと、奥が深い。まず、ゲストに伝えるべき「注意すべき点」にどのようなことがあるか。1つは、共用部分に長い時間いない。共用部分に長い時間いるだけで、目についてしまうようだ。共用部分でガヤガヤ話などはもっての外。タバコもベランダも含め、建物内はすべて禁煙。ベランダで吸っていても、心配する人はいるようだ。

 注意すべき点はわかったとして、どう伝えるか。ハウスマニュアルに書くのは当然だが、それだけでは十分ではなく、口頭で伝えることも大切。ただ、あまりに細かいと聞かなくなってしまうので、ルールをラミネート加工して、場所ごとに貼っておくのが良いという。例えば、ドアのところに「共用部ではお静かに」など。

 もう1つは、ゴミの問題。大事なのは、ホストにゴミを外に持ち出させないこと。清掃会社が共用部分に数時間ゴミを置いておいただけでクレームになった例もある。ホストに分別は期待しない方が良い。そして、ホストの方で責任を持って回収、処分することだそうだ。

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