【復刻・民泊革命(第39回)】 民泊における言語戦略

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 民泊施設が全国に多数できているが、タイ人とつき合いがあってタイ語で集客しているなど、得意の国を持っている物件もある。一度得意の国を作ると、その国の人とのコミュニケーションがうまくなったり、「自分の国をよく知っている」と友達に紹介されたりするようだ。今回は、どの国に力を入れるかの基本となる、民泊の言語戦略を考えてみた。

 

Airbnbで多いのは日本語と英語

民泊データサイトAirlaboによれば、Airbnbで稼働する民泊物件数は、10月20日現在で43376件である。これに対し、それぞれどの言語に対応しているか、統計が出ている。一番多いのは日本語。28406件で約66%。2番目が英語。25806件で約60%。

 ある程度想像できる順位だが、1位の日本語でも3割弱のサイトで対応してないのは、少し驚いた。実は、私の運営する民泊は、Airbnbから予約する客の2割以上が日本人だ。地域的に日本人の人気が高いこともあるが、ホストに聞いても日本人の予約数が増えたと言う人がポツポツいる。これだけ騒がれたので、認知度が上がり、値段が安いなら使ってみようという人も出てきたようだ。

 一方、初期の頃に物件を登録した人は、Airbnbはあくまで英語圏の人たちを迎えるためのサイトだから、英語があれば良いという考えの人が多い。また、日本人は週末は泊まるが平日は使わないので嫌だという意見があったり、目立たないように日本語を出していないケースもあるようだ。

 ただ、そう考えると、逆に英語を使っていない約4割のサイトは何語で掲載しているのか、不思議だ。日本語で日本人に泊まらせるのは考えにくいので、中国語や韓国語であろうか。

<次のページ> 中国語で説明した民泊の比率は?