【復刻・民泊革命(第43回)】 鎌倉合法民泊 運営体験記2

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 前回に引き続き、鎌倉の簡易宿所の運営体験を掲載する。

民泊には様々な質問が来る

 通常、ビジネスホテルを予約する時は、予約をした後あまりホテルに連絡したりしない。サービスの標準がある程度決まっていて、それほど質問することもないからだ。それに対して民泊は、1件1件運営の仕方が違うし、物件の個性も違う。仲介サイトにある程度の状況を掲載し、できるだけ質問が少なくなるようにするが、それでも幾つかの質問を受ける。

 内容としては、鍵の受渡しをどのようにするか、駐車場は近くにあるか、子どもは泊まれるか、その料金はどうなるか、トラブルへの対処、お勧めの食事処など、多岐に渡る。食事処に関しては、鎌倉野菜を食べられるところ、鎌倉にファミレスはあるかとか、お勧めのそば屋、安くておいしいところなど、中には即答が難しい質問も来る。

 

ホストとの関係の傾向は?

 このように、民泊はホストの個性によるので、様々な質問が発生する。これがうるさいと思うゲストはホテルを選択するので、やり取り自体を楽しむ余裕のある人が比較的多いと言えるだろう。ただ、どこの国の人かである程度傾向があるように感じる。

まず、欧米系の人たちであるが、彼らは日本が好きで来ていることが多い。そこで、フレンドリーなやり取りになりやすい。私は英語が苦手で片言英語だが、何となく気持ちは通じるらしい。日本人相手ではほとんどないが、握手をして「良い旅を」と言って別れることがほとんどだ。

 日本人とは握手を交わすことがほとんどないが、同じ言葉を話すし、文化も同じなので、全体にコミュニケーションが取りやすく、様々なルールも理解している。中には少しつき合いにくい感じの人もいるが、それは実社会と同じことだ。

 中国の人たちも時々泊まるが、全体に真面目な感じだ。民泊でホストとゲストの間でフレンドリーな関係ができるという考え方のない人が多い。ただ、日本にいる期間が長いと、そういう点も理解があり「今度東京で飲みに行きましょう」と盛り上がった人もいる。

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