【復刻・民泊革命(第45回)】 鎌倉合法民泊 運営体験記4

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 

 私の運営する鎌倉の民泊だが、日本人宿泊客の比率が3割強と通常の民泊施設に比べて高い。前回までは外国人の宿泊客の例をご紹介したが、今回は日本人の宿泊客を通して、日本人の民泊に対する需要を考えてみたい。

 

民泊に泊まる日本人

 私の民泊に泊まる日本人客を見ると、一つの傾向がある。まず、予約者は女性が多い。年内の予約の8割は女性だ。だが、来るのはファミリーもいるので、必ずしも女性だけというわけではない。したがって、鎌倉が女性に人気があると同時に、家族で鎌倉旅行を主導しているのが女性らしいことも伺える。

 ただ、それだけではない気もする。色々な人と民泊について話していて、男性には民泊に泊まるなんてという反応が多いが、女性からは民泊もお得だったら泊まりたいとか、素敵な部屋だったら泊まってみたいという声を聞く回数が多いようだ。そういう部分も関係しているのではないだろうか。

 民泊と言うと、違法な施設というイメージも強いが、近頃は民泊に泊まる日本人が増えたというホストの声もある。報道が多かったせいで、日本人の間にも民泊という施設の存在が認知され、選択肢の一つとなってきたということが言える。

 

家族旅行に便利な民泊

 自分の民泊施設をスタートした時に驚いたのが、子ども連れのファミリーが多いことだった。スタート月は4組中3組に赤ちゃんがいた。通常のホテルなどではシングルやツインの部屋が多く、ファミリーでは使いづらい。レストランでの食事も気を使うことが多いようで、食事を買ってきて部屋で食べる方が気楽なパターンもあるようだ。

 少し面白い現象だなと思ったのは、日本人の奥さんが予約をするのだが、ご主人は外国人というパターンが何組かあったことだ。民泊施設に泊まるのは欧米からスタートしているので、ご主人が欧米系の方はそういう文化に触れる機会が多かったのだろう。

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