【復刻・民泊革命(第46回)】 民泊の譲渡を考える

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 

 全国で4万件以上稼働する民泊であるが、現在毎月3000件前後の新規登録と閉鎖がある。毎月全体の10%弱が入れ替わっていることになるが、そのすべてが物件の立上と閉鎖ではない。民泊物件の譲渡というパターンがある。最近、周囲で譲渡の話を聞く機会も増えた。今週は、民泊の譲渡について考えてみる。

 

民泊譲渡の仲介業もあり

 まずSNSで民泊物件売却情報を時々アップするAさんに話を聞いた。Aさんは立上のサポートや運営代行をし、自分の経営する物件ではなく、他の人の物件を売っている。

「売る方からは『他の事業に一本化したい』『エリアを絞りたい』『管理が大変』という理由で売却を頼まれることが多い。譲渡額は、半年で回収できる金額が相場。したがって、家賃の金額も大事。売上実績についてはCSVデータを出してもらっている。買う方は、投資家や投資家がバックについている人など。民泊運営代行会社が投資家につながっているケースも多い。仲介の報酬は、売買代金の10%をもらっている」

 例えば、過去半年の平均売上が月40万円で、家賃が月15万円だとすると、月々25万円の粗利があるので、売買代金はその半年分の150万円になり、仲介手数料が15万円というイメージだ。購入者は、利回り年200%近くの投資をしたことになる。

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