【復刻・民泊革命(第49回)】 民泊訴訟の問うもの

原点は、ヤフーの企業内弁護士時代の経験

 石原弁護士は、2014年ヤフーに勤務していた。その時に経験したのが、別荘を短期賃貸借で貸す事業をヤフーがプラットフォームとしてマッチングしようとしたことに対し、国が旅館業法違反としてブレーキをかけてきたという事件だ。

 別荘を1年中使うのは無理なことで、所有者は一定期間しか使わない。少子化、高齢化が進むと、ほとんど使われない別荘もある。空いた期間を第三者に貸せるようにした方が、所有者も助かるし、第三者も安い費用で別荘での生活を経験できる。地元にお金も落ち、地域経済の活性化にもつながる。全ての人がWin-Winに思えたのに、70年近く前の法律がそれを阻んだ。だが、石原弁護士は、本当にこれが正しいのか、疑問を持った。

 民泊が多くの需要に支えられて拡がるのを見て、必要なものを止めることはできないと感じる一方、検討会の議論が現行制度の修正論に終始することに失望を感じた。今石原弁護士は、この訴訟が民泊についての本質的な議論につながることを願っていると言う。

 

<筆者プロフィール> 児山秀幸(こやま・ひでゆき) 合法民泊やホステル・ゲストハウスなど簡易宿所の立ち上げや運営支援を手掛ける株式会社TAROコーポレーション代表取締役。旅館業法における「簡易宿所」の営業許可を取得した「タローズハウス鎌倉小町」を運営。Facebookグループ「簡易宿所・民泊ビジネス研究会」の管理人。Airbnbや民泊新法、旅館業法、特区民泊、東南アジア民泊、医療インバウンドなどに関するセミナー・コンサルティングも。

<前回号である第48回記事> 

【復刻・民泊革命(第48回)】 2017年 民泊のトレンドは?