【復刻・民泊革命(第55回)】 各地の民泊は?4-札幌

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 

 全国都道府県の民泊稼働数。東京、大阪、京都に続く4位は北海道だ。県別人口ランキング13位の京都の民泊3位は別格だが、人口8位の北海道の民泊4位もすごい。北海道の雪、温泉、食事、日本の中でも少しヨーロッパ風であることなどは、訪日外国人にとって大変魅力的なコンテンツになっている。

 民泊データサイトAirlabo(エアラボ)で調べてみたところ、北海道全体で18百件弱が稼働し、そのうち11百件強が札幌だった。今回は、札幌の民泊事情について触れてみよう。

 

サラリーマン大家Kさん札幌で民泊してみた

 札幌市で一棟マンションの大家をしているサラリーマンのKさん。自分の運営するマンションに空室ができたので、昨秋から1月にかけて3部屋で民泊を始めた。家賃は3万台なので、まずは家賃分稼げればよいというスタンスだったとのこと。

 今年2月1日~12日に開催された札幌雪まつりには史上最高の264万人以上が動員されたが、同時期運営を手伝った友人の部屋を加えた4部屋に50人近くが泊まり、自物件では経費を抜いて家賃4ヶ月分を2週間で稼ぎ出した。

 繁閑の波はあるが、夏も一定の需要があるだけに、今後が楽しみとのことだ。Kさんは民泊をして「下調べも必要だが、やろうと決めたら実行に移すのが大事とわかった。半年前には何も知らなかったが、今は次にどんな部屋を出すか考えるのが楽しい」と話す。

 福岡にも共通するが、札幌も家賃は東京と比べるとかなり安い。しかし、宿泊費には家賃ほどの差がないので、利益が出やすいということはある。もっとも、道外に住所があると物件を借りにくいという話も聞くし、大都市の転貸代行型は利益が出にくくなっているので、物件オーナーの立場だと見える景色が違うのかもしれない。

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