【復刻・民泊革命(第61回)】 各地の民泊は?5-沖縄

1年4ヶ月間、2016年1月11日号から2017年4月24日・5月1日号まで計64回にわたって不動産業界紙「週刊住宅」に連載された「民泊革命」。掲載用に編集前の元原稿を民泊大学ウェブサイトで復刻し、過去に取り上げた事実が現在どうなっているか、著者のコメントを合わせて掲載します。

 全国都道府県の民泊稼働数。第55回で東京、大阪、京都に続く4位は北海道と書いた。だが、今日民泊データサイトAirlabo(エアラボ)で調べたところ、4位は沖縄だった。沖縄1682に対し、北海道1670。デッドヒートをくり広げている。

 沖縄は人口で47都道府県中25位。それが民泊稼働数では4位なので、観光に強い県の実力をいかんなく発揮している。今回は、沖縄の民泊について取り上げてみよう。

 

沖縄に多い修学旅行民泊

 民泊に関わるようになって気づいたのだが、沖縄県は修学旅行民泊が多い。私の娘も高校の修学旅行は、沖縄の民泊を利用していた。

沖縄県内の島で民泊したある高校生の感想を読むと、最初は民泊に泊まると聞いたとき、安かろう悪かろうじゃないかとか、騒音やゴミの問題で周囲に迷惑をかけているのではないかと悪いイメージが先行し、憂鬱だったそうだ。それが実際に泊まってみたところ、島にもう一人のお母さんができたような気持になり、涙ながらに別れ、機会があればまた訪れたいと書いたりしている。もちろんホスト役の方も様々なので、全員ということはないが、そういう感想が多いと聞く。

 沖縄の修学旅行民泊は、2014年の段階で、26団体1850件あったが、近年さらに増加しているようだ。昨夏沖縄県の生活衛生課が調査したところ、修学旅行生を受け入れている1196の教育旅行民泊施設のうち、34%に当たる406施設が旅館業の許可を取っていなかったことがわかった。県は、取得していない施設に対し、取得するよう指導するという。昨今の民泊騒動の余波が、修学旅行関連の民泊にも及んだ形だ。

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