【第18回】民泊を通して日本語習得『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

先日「先年末年始の民泊清掃は障がい者の方々が大活躍」という記事を掲載いたしましたが、障がい者の方以外にも力を貸していただいているチームがあります。

それは外国人留学生、日本語学校へ通う外国人学生たちです。

北海道は場所にもよりますが、比較的標準語に近く、家賃等も安く、自然も豊かなため、外国人留学生が学ぶには、日本語を学ぶのなら北海道は最適ではないかと思います。 しかし、残念ながら札幌ではまだまだ外国人が賃貸住宅の利用やアルバイトをするには理解がなく、彼らを積極的に受け入れられる環境が整っていないの実情です。

彼らは留学生であるため、日本で勉強するために来ているので、学業の邪魔にならない範囲でアルバイトが認められています。(週28時間・学校長期休みは1日8時間) 留学生へ「アルバイト」と言っても伝わらないと思ったら、ご存知の方も多いと思いますが、アルバイトはドイツ語で「仕事」を意味する名詞のArbeitに由来しています。

私は札幌市内にある日本語学校に出向きパートタイムで働きたい学生はいないかとヒアリング、希望者を募り、民泊清掃現場の補助スタッフとして一緒に働く活動をしています。 私は韓国人の留学生とチームになり、よく民泊現場で清掃に入りました。ほかにもゲストが民泊利用する際のカギの受け渡しなども担当してもらいました。

清掃中に札幌や北海道にどんなイメージをもっているか。札幌で興味のあること。どうやって札幌を知ったのなど、外国から見た北海道・札幌の印象などを教えていただきました。民泊の部屋も母国へ向けて広く周知・拡散してもらいました。いま彼は無事に就労ビザを取得し札幌市内で就業しています。

我々の民泊清掃現場業務の助けになるのはもちろんですが、外国人留学生も働きながらだと日本語を覚えるのも速くなります、更に教室内では教わらない、業務でしか使わない言葉などもあります。 そして留学生の母国語が活躍する場面もあります、例えば民泊部屋でのハウスマニュアルなど、このように伝えると理解ができるなど。外国人留学生が民泊清掃に携わることで、清掃をしながら日本人の友達ができ日本語の習得のテンポがアップします。

民泊清掃には主婦・主夫・高齢者・障がい者・そして留学生も多く参加をしています、彼ら留学生にとって、お金を得ながら言葉の勉強にもなり、友達もでき、貴重な経験・体験、楽しい留学生生活が出来ると思っています。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。