【第19回】民泊運営は誰が責任者を持つのか『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

「違法民泊」掲載、全削除へ 観光庁、仲介サイトに通知 民泊新法施行の6月15日期限 というニュースをご覧になった方も多いかと思います。

観光庁は仲介サイト(Airbnbなど)から違法民泊を削除するように通知しました。 民泊関係者のみならず、地域住民の方もこれらの行方に注視しているのではないでしょうか。民泊清掃現場では地域の方が理解をできるように、依頼主がおり、その依頼に基づいて清掃へ来ていますと説明をいたしますが、理解を得られることは少ないです。

過去に民泊清掃現場においても、清掃中に地域の方が民泊現場に来られて民泊運営を中止するように抗議されるという場面が何度もありました。

地域住民の方の不安や怒りはよく理解をできるのですが、清掃員にそれらをぶつけられても、残念ながら民泊運営を止めることに直接はつながりません。さらに発達障がいと言われる障がい者の中には、他人から多くの情報を強く言われると、それらの内容を処理できなくなる場合があります。地域の方はそのことを理解できず、「なに黙っているんだ」と悪循環になるのです。 そして「どこから依頼されているのか?」と・・・。それに対しても守秘義務があり答えることができません。更には「訴えるぞ!」となるのですが、先ほど、記載しましたが民泊清掃会社を訴えるのは筋が違うのです。

しかし地域の住民にとっては誰が民泊運営者・民泊プレーヤーなのか。理解をすることが難しい方もいるようです。

民泊への理解は得らないのですが、何度か会って話している内に、仲間意識が芽生えることもあります。私もマンション管理組合の総会などには積極的に参加をし、開催15分くらい前に会場へ行きイスやテーブルを出すことを手伝ったりと、民泊反対派の方ともなるべく接触をするように努力しています。

総会に参加する中で発言をする機会もあり、地域の方に民泊の良くないことをヒアリングするのですが、「見知らぬ外国人がうろうろして気味が悪い」という内容が多く、時には「外国人と一緒のエレベーターに乗るのが嫌」「言葉が通じないから嫌」など人種差別とも感じるような発言もありますが、これが札幌の現状なんだなと思いながら、傾聴に努めるようにしています。 そのような経験から、仲介サイトと地域の方とが向き合うような場面(テーブル)があっても良いのではと常々感じていました。

仲介サイトが観光庁からの提案にどのように応じるのか、民泊反対派の方々とも一緒にウォッチしていきます。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。