【第27回】家主居住型は事業主か『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

民泊清掃事業を行っている関係上、民泊家主居住型・不在型問わずホストとの接点が多くなります。

先日、家主居住型の不安を聞く機会がありました。 札幌市保健所の見解ですと、既存のホームステイについても安価であっても宿泊費を含む金銭のやりとりがあれば旅館業法の範囲とみなすとの指摘があり、長年ホームステイをしていたが、そのようなことを伝えられたのは初めてで困惑しているとのことでした。

民泊新法(住宅宿泊事業法)の概要が示され、それらに沿ってホームステイをされている方も家主居住型として登録すればと良いのでは考えましたが、懸念点もあります。

①住宅の公表

民泊新法(住宅宿泊事業法)ではすべてのホストが行政に届け出をする義務があり、届け出住宅には標識掲示義務も課せられています。行政側で把握が可能、そして近隣の方は苦情等を報告できる仕組みです。 家主居住型ホストとして登録すると名前・住所・連絡先が公開されることになる。

②ゴミの廃棄

民泊新法(住宅宿泊事業法)では、ゴミの廃棄は事業ゴミとして処理するようにとされていますが、家主居住型の場合、厳密にルールに沿って運用しようとするならば、ホストが捨てたゴミ・ゲストが捨てたゴミを区分しゲストが廃棄したゴミを事業ゴミとして別途収集を依頼することになる。

主に上記2点が懸念点として挙げられていました。 今までのホームステイの延長線上で考えていた外国人の受け入れ・部屋の提供だったが住宅の公表やゴミ廃棄など、細かな制約を受けることになります。

各自治体では定例議会の議案準備が急ピッチで進められております、我々民泊現場からはパブリックコメント等で声をあげておりますが、議案審議の過程でどこまで、それらが勘案されるのか?現実に即した内容となるのか?多くのホストが不安を感じています。

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。