民泊はホストとゲストを仲介するAirbnbなどのサイトの登場により、飛躍的に登録物件そしてゲスト数が増えました。
ゲストは旅行前にサイト上で条件の合う部屋を立地や価格などでリサーチし、クレジットカード決済します。ホスト非滞在型ではホストに直接会うことなく、ホストやサイトから送られてくるガイドを事前にプリントアウトまたはスマートフォンから確認をし、物件へ行き、更に鍵情報を確認し部屋へチェックインをします。
我々民泊清掃チームは清掃依頼時に、物件情報の中に鍵情報についても共有されます。清掃員もゲストと同じ手法で民泊部屋へ清掃に入ることで鍵の有無、無事鍵が返却されたことなどを確認するのです。
鍵の紛失等、万が一の時に備えて清掃員用の予備鍵も用意されています。
ネット上でホストとゲストが効率的に予約、決済、チェックインができて、さらには清掃依頼を自動発注することはスマートに見えますが、鍵に関してはどうでしょうか。
共有された鍵情報を見ると、「エントランス横のポストの中にあります。右に○×○×、左に○×○×」「キーボックス内にあります」と急にアナログになります。
キーボックスがあると民泊物件と見なされるとのことで、回避策として「花壇の下に鍵があります。」「隣のマンションの自動販売機に巻いているチェーンにキーボックスをつけてあります。」「駐輪場の自転車後輪にキーボックスをつけてあります。」など、宝さがしゲームのような物件も存在しております。
更にはマンションのエントランス内にポストがあるため、マンションのポストで鍵の受け渡しをすることが出来ず、ホストがカギを置く場所を考え、マンションの駐車場にある柵にキーボックスをつけていました。
先日、清掃チームが現場へ行くといつもあるキーボックスが見当たりません。駐車場内に除雪が入り、柵のある部分が排雪場所となり雪山に。清掃チームはスコップで雪かきをしキーボックスを探し当てるのでした。
これでは最初に、ホストへ連絡をし、「キーボックスはどこへ設置(返却)しますか?」と相談をすることになります。これはこれで鍵を見つけた時の喜ぶを倍増させるという楽しみもありますが、やはりスマートではありません。
今後はスマートロックなどの電子キーが主流になると感じています。民泊物件では電子キーを導入する物件が増えてきました。電子キーによっては鍵の権限の失効や有効期限を設定することが可能です。例えば1月1日~1月10日のゲストには「1111」、1月10日の清掃員には「1112」などの暗唱番号の設定が可能です。セキュリティ面の強化はもちろんのこと、鍵の紛失や閉め忘れの心配もありません。キーボックスの数千円が、電子キーでは数万円と高額になるものもありますが、民泊物件の電子キー設置は高いセキュリティと利便性から周辺住民の理解を得る意味でも必要となってくるでしょう。
南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。