民泊関連の仕事に携わっていると仕事柄様々なホストの方とお会いすることがあるのですが、その方々とお話してあれこれ伺ってみると、
「粗利が○×円で…..」
「名目利益率が○%位で…..」
という形で、
「不動産投資の延長線上」
で語っているホストの方が非常に多いです。確かに賃貸住宅として貸し出すよりも、現在利益は民泊の方が確かに多いですからそうなるのはわかります。
あくまで「ビジネス」です。
しかし、ここで勘違いしていただきたくないのはこの「民泊」は
「不動産業」
の色彩よりも、
「旅行産業」
「観光産業」
の色彩が非常に強いということです。
ならば、ホストの皆さんにお願いしたいことは、
ツアーでなく個人旅行で民泊施設に宿泊する旅行をすること。です。
なぜなら、御自分で旅行して民泊施設に宿泊しないと「ゲストの気持ち」に立って考えることは出来ないから。つまり、自分が旅行会社やツアーコンダクターやガイドの力を借りることなく、また高級ホテルに泊まることなく、独力で海外なり国内なり旅行することにより、いつもの立場にいると見えてこないものが「ゲスト」になると見えてくるからです。
「ああ、キッチンには簡単な調味料やサランラップ・アルミホイルがあった方がイイね」
「スーパーがどこにあるか見当がつかないのはつらいね。明日の朝食を作れない…」
「洗剤はやはり家から持ってきたものじゃ水が違うのか、汚れの落ちがよくない…」
というようなことは、自分が旅行者の立場に立たないと絶対わかりません。
この「気付き」が
「部屋に置くものは何が必要か?」
「ゲストに示さなければならない情報は道順・鍵の入手方法以外に何か?」
「洗濯用洗剤はどのようなものが必要か?」
という、自分のホストとしての成長につながっていくと私は考えています。
そしてそうやってホストの方が「旅行好き」になることがスーパーホストへの道に繋がると私は確信しています。
さて、今まであれこれとハウスマニュアルを作成する際に気をつけなければならないことをあれこれと書いてきましたが、”民泊とハウスマニュアルの鉄則”は今回で最終回となります。
長い間御愛読頂き、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
播磨 恵(はりま めぐむ)/翻訳・通訳、英語講師、民泊コンサルタント
広島県呉市生まれ。現在は広島市在住。