【第41回】保健所の民泊指導について改めて考える『北海道民泊、訪れてよし住んでよし』北海道民泊観光協会 代表理事 南邦彦さん

第69回さっぽろ雪まつりが大通り・すすきの会場(2月5日から12日まで)で盛大に開催をされており、多くの来場者がさっぽろ雪まつりの様子をSNS等でアップしており、世界中へ発信をされています。
 
イベント期間中、札幌市内約1500ある民泊物件は全室満室といった状態です。それでも新規の予約・問い合わせがあります。もちろんお断わりをしますが、ゲストは、もうすでに札幌へ来ているのです。民泊ホスト、ゲストはお互いハラハラドキドキしながら受け入れ先を探します。

外気温はマイナス10度のため、外で一夜を過ごすことはできません。 3人しか利用できない部屋に4人でステイすることになったゲストや、ゲストハウスのリビングを提供してもらいリビングにエアベッドを用意しそこでステイすることになったゲストなど様々です。 数名の旅なのでなんとかなる範囲ですが、これが20名から40名規模ですと受け入れ先は見つからないでしょう。

現場でそれらの調整をしていた時に、保健所の方が民泊物件の指導をしていました。私は何度か保健所を訪問し相談や指導を受けたことがありますので、すぐに担当者の方が私に声をかけてきました。

「法を順守してください!」

私は「地域に必要な取り組みなので活動を続けます、どうぞ指導をしてください。」

それに対して保健所の方は「法をなんだと思っているのか?」と。

私も保健所から、必要に応じて、警察等の関係機関・捜査機関へ、情報提供・通報すると書面を頂きましたので、どうぞそれらの機関といらしてください。 お互い面識がある分、情熱的なお話へと発展していくのです。私は次々と来札する民泊ゲストの対応があり、保健所の方と立ち話をしている時間がありません。

「ここで保健所の〇〇さんと議論をしても結論がでないので失礼します。」と次の現場へと移動しました。 札幌市内1500ある民泊現場で違法な民泊を指導をしようとしても、そこにいるのはホスト居住型ホスト・ゲスト・民泊清掃員や私のような作業員しかおりません。それはトカゲのしっぽ切りのようなもので根本的な解決にはなりません。

 
過去のコラムでも掲載いたしましたが、札幌市の保健所からAirbnbゲストとしてホストへ送信されたメッセージを再掲載いたします。

【一般住宅等において旅館業を営む行為について】
 
こちらは札幌市保健所です。 先に本物件の所有者様/民泊営業者様あて通知文を送っておりましたが、その後折り返しの連絡がなかったため、あらためて通知いたします。

マンション・戸建住宅など一般住宅等を活用する場合であっても、宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む場合は、『旅館業法』第3条に基づく許可を受ける必要がありますが、この物件につきましてはその許可を取得しておらず、無許可営業(違法営業)に該当します。直ちに「旅館業行為」を中止してください。 平成29年6月16日付けで『住宅宿泊事業法』が公布されたところですが、まだ施行されていません。したがって、現段階において、「民泊」行為は『旅館業法』の無許可営業にあたり処罰されることがあります。 また、『住宅宿泊事業法』では、「『旅館業法』違反で処罰された者は、住宅宿泊事業を営んではならない」と定められております。

保健所といたしましては、詳しい状況をお聞きしたいと考えています。本フォームには「電話番号」「E-mailアドレス」は入力できないようですので、先にお送りした文書を確認いただくか、「札幌市保健所 環境衛生課」で検索の上、下記担当者あてお電話をください。

※必要に応じて、警察等の関係機関・捜査機関へ、情報提供・通報することがあります。また、改善が見られない場合、Airbnbの「通報フォーム」あて通報させていただきます。

※なお、本メッセージを送るにあたり、「チェックイン」「チェックアウト」が自動的に入力されるようですが、当然宿泊する予定はないことを申し添えます。

札幌市保健所環境衛生課

南邦彦(みなみ・くにひこ) /一般社団法人北海道民泊観光協会 代表理事
元保育士養成施設教科専任教員。2014年より障がい者雇用で民泊管理・民泊清掃事業をスタート。北大公共政策大学院卒。公共政策学士。